こんにちは。
B.Products Taco オーナーのTakoです。
『ヘアアイロンやドライヤーで髪を伸ばすと、形が維持されたまま伸びますよね。あれはどういう仕組みで熱を加えると髪が伸びるんですか?』
という質問が来ていたので、回答します。
ヘアアイロンやドライヤーで髪が伸びる仕組みについては、いくつか複合的な要因があります。
Contents
水素結合で形が変わる
髪の毛には、
- アミド(ペプチド)結合
- シスチン結合
- 水素結合
- イオン結合
例えば、パーマはシスチン結合を外して再結合させることで髪の形を変えます。
枝毛などの髪の状態は、アミド結合が切れてしまっている状態になります。(アミド結合は一度切れると元には戻せません。)
そして、今回のテーマである『ヘアアイロンやドライヤーで形が変わる仕組み』に関する1つの要因は、水素結合を外して再結合させることです。
水を含むと外れる水素結合
『水で濡らすとクセが元に戻った・・・』という経験は誰でもあると思います。(汗のせいで伸ばした髪が戻る など)
これは水で濡らすことによって、髪の水素結合が外れてしまったからですね。
髪が水分を含んだ状態に、ドライヤーやヘアアイロンなどで熱を加えて髪を伸ばすと水分がなくなりますよね。水分がなくなると水素結合が結合します。
水素結合による形の変化
引用:https://www.kao.com/jp/haircare/mechanism_05.html
つまり、伸ばした状態で熱を加えると、髪が伸びた状態で水素結合がつながるので形が維持されるわけですね。
これが、1つの原因です。
ヘアアイロンで髪がよく伸びる仕組み
でも、それだけだと普通にドライヤーしてもアイロンで伸ばしても、同じくらい伸びないとおかしいですよね。
これは、ヘアアイロンの方が伸びやすくなるのは水素結合の要因だけではないんですね。
『物理的な圧力』と『熱の強さ』
という要因も入ってきます。
ヘアアイロンで伸びる仕組み①『物理的な圧力』
ヘアアイロンで伸ばすと、熱が加わるだけでなく髪に『ひらぺったく圧がかかる』状態になりますね。
ヘアアイロンの場合は、物理的に髪の毛の隙間を閉じてしまうので、髪内部にある隙間が圧縮されることで髪がより伸びやすい状態になります。
髪の毛に水が入る隙間とか、ああいう部分がアイロンによってペタンと圧縮されるようなイメージですね。
ヘアアイロンで伸びる仕組み②『熱の強さ』
また、ヘアアイロンの場合ドライヤーよりも高温で伸ばす事が可能ですよね。
高温で伸ばすと伸びやすいのは、髪の油分(など)が溶けやすいからです。
ヘアアイロンで髪に熱を加えると、髪の油分が溶けます。そして冷えると油分がまた固まりますね。
例えば、キューティクルの開閉にも関わっている18MEAの油分などですね。それらを一回熱で溶かして、冷めた時に再度固まることによって髪の形が変わります。
髪は冷えるときに固まる
だから、よくヘアアイロンで髪型を作るときに『髪は冷める時に固まります』とか、『温風を当てた後に冷風を当てましょう』みたいな事を聞くと思いますが、あれは溶けたものを固めるためなんですね。
- 熱があるときはその形に変形している
- →冷え切ったら固まる
他にもこれだけでなく、複数の理由が合わさって髪が伸びるということですね。こんな仕組みになっているわけです。
アイロンでは複数の要因によって髪が伸びている
以上、ヘアアイロンやドライヤーで髪が伸びる仕組みについての説明でした。
まとめると、
- 水素結合
- 物理的な圧力
- 熱で油分が溶ける
髪の形が変化する仕組みには、様々な要因が複合的に絡まっているわけですね。参考になりましたら幸いです。